Pierre Sea Cle オフィス改修
静けさから、かたちへ。 東京・調布の静かなリズムの中で、Pierre Seacle はひとつの問いから生まれました — スタイルではなく、空気感への問いです。
クライアントが私たちに求めたのは、より広い空間でも、より多くの光でも、より高い機能性でもありませんでした。もっと繊細な何かでした。
「オフィスは、私たちの集中を助けてくれるだろうか? 仕事のためだけでなく、リセットするために帰ってくる場所になれるだろうか?」
意図
はじめから、私たちは静けさを「不在」ではなく「可能性」として扱いました。既存の建築に、クライアントのニーズに、そして騒がしさの先にある働き方のリズムに、耳を澄ますことから始めました。
デザインを導いたのは、いくつかの静かな確信です。
光はかたちを追いかけるのではなく、かたちを定義するべきであること。
素材は見られるだけでなく、感じられるべきであること。
幾何学は空間だけでなく、存在をも縁取れること。
引かれた一本一本の線、決められたすべての取り合い、導入されたすべてのテクスチャーに意図がありました。装飾的なものは何もなく、過剰なものも何もありません。
プロセス
スケッチ、模型、素材の検証を重ねながら、クライアントや職人たちと緊密に協働しました。静けさを湛えることのできるパレットを選び抜きました。
無垢の木 — その柔らかさと誠実さのために。
ニュートラルなテキスタイル — 触覚と音の柔らかさのために。
特注のディテール — 目立つためではなく、消えるために。
収納と間仕切りは背景に退くようデザインし、日の光と人の動きが主役であり続けるようにしました。模型では、ごく小さな面でさえ光をどう変調させるかをスタディしました。棚の角度を調整し、開口をずらし、角を柔らげ、静かでありながら寛容な使われ方のリズムをかたちづくりました。
いまの空間
いま建っているものは、派手ではありません。自らを主張することもありません。しかしもっと稀有なことを成し遂げています — 空間を「保つ」ことです。
オフィスは明快に機能しています。使う人々はここを「時間がゆっくり流れる場所」「静かな器」「リセットの場」と表現します。自然光が一日を通してその表面を移ろいます。
会話はより意図的に感じられ、集中はより持続するようになりました。デザインが溶けて消えることで、人と仕事が立ち現れるのです。
クレジット
設計: Roger Acosta & Mei Someya 施工: 若清屋 匠 竣工: 2025年 面積: 128m² 所在地: 東京都調布市
Follow our work